事業承継の最大の課題は後継者への引き継ぎ

事業承継の最大の課題は後継者への引き継ぎ

中小企業における事業承継トラブルの最大の原因は、後継者の育成ができていないことにあります。日本政策金融公庫総合研究所が行った「中小企業の事業承継」(2010年)からも明らかです。約4割が事業承継の課題として「後継者の教育」を挙げており、全回答の中で最も割合が大きくなっています。

事業承継では、企業がこれまで培ってきたさまざまな財産「人」「金」「物」「知的資産」を上手にバトンタッチすることが重要です。人というのは従業員のことです。金や物というのは自社株式や資金、事業用資産などのことです。知的資産というのが、経営理念や経営者の持つ信用、営業手法、熟練工の持つ技術、得意先との人脈、顧客情報、許認可などを指します。

後継者育成の中で一番難しく、また時間もかかるのは、知的財産の承継です。経営理念や営業手法などは、その多くが経営者の頭や心の中に存在するもので、他者に伝えにくいからです。多くの中小企業経営者にとって、言葉や文章にして説明するのも困難でしょう。おそらく経営者が一度や二度説明したくらいでは大事な部分はほとんど理解されず、後継者の中には入っていきません。

一般的に、経営を引き継ぐための後継者の育成には、5~10年かかると言われています。つまり、事業承継を見据えて後継者を教育しようとする場合、少なくとも自分が引退する5~10年前から計画的に進めなくてはならないのです。

しかしながら、実際にはそれだけの時間をかけることなく、経営者の病気や事故、高齢化による体力の限界などという差し迫った問題が見えてから、バタバタと駆け込み的に引き継ぎをしているケースが散見されます。承継トラブルの原因は、この準備不足によるものが多いのです。

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