秘訣7
暦年贈与と相続時精算課税を比較する

秘訣7
暦年贈与と相続時精算課税を比較する

では、続いて贈与税のしくみについてです。

贈与税の課税方法には、暦年課税と相続時精算課税の2つがあります。

①暦年課税
年間110万円までの非課税枠がある制度です。非課税枠を超えて贈与された金額に対して、課税がなされます。

たとえば、年間500万円の贈与をしたとすると、110万円を除いた390万円に対して、税金がかかります納税額は390万円×税率=48万5000円です。なお贈与に対する課税については、2015年から2段階の計算方法がとられています。詳しくは顧問税理士などに確認してみてください。

②相続時精算課税制度
60歳以上の親または祖父母から20歳以上の子または孫に贈与が行われた場合に、2500万円まで贈与税が非課税になる制度です。2500万円を超えた部分については、一律20%の課税がなされます。

相続時精算課税では、贈与した時点の時価で相続財産に課税されます。たとえば、相続時精算課税制度を使って、1億円分の自社株式を贈与したとします。贈与後に会社の業績が上がり、相続時に株価が1億5000万円になっていたとしても、相続税の計算は1億円のままで行われます。

仮に相続税率が30%とすると、納税額が1500万円も違ってくることになります。しかし、逆に言うと、相続時に自社株の評価が5000万円に下がってしまっていたとしても1億円で計算しなくてはいけないので、相続税の負担は大きくなります。

またこの制度は限度額の2500万円までしか使えず、一度使うと暦年課税はもう使えません。

自社株の移転を生前贈与する場合のポイントとしては、暦年課税と相続時精算課税のどちらを使って移転すると、メリットが大きいかをシミュレーションしてみることです。

相続時精算課税制度の非課税枠2500万円はパッと見に額が大きくて魅力的ですが、必ずしも得策になるとは言い切れません。

2500万円まではよいとしても、その後、相続時精算課税制度を適用した親または祖父母から1万円の贈与(小遣いでも)を受けるたびに、2000円が課税されることになるのです。一度適用してしまうと取り消したいと思ってもできず、一生使い続けるしかありません。

暦年贈与で毎年2人の子どもに10年間贈与すれば2200万円が贈与でき、相続時精算課税を使ったときと、贈与税だけを考えれば大差はなくなります。さらに言えば、孫も含めて5人に贈与すれば、年間550万円、10年で5500万円も贈与できます。

つまり、移転したい資産の額が大きい場合や、相続まで時間があってコツコツ小分けにでも贈与していける場合などは、暦年贈与を使ったほうが得になりやすいと言えます。自分たち親子のケースでは、どちらの制度を使えばメリットがより大きいかをよく検討して、慎重に適用するようにしてください。

株式の移転方法で、後継者に生前贈与をしたほうがいいのか、相続まで待ったほうがよいのかを「税金」という面のみに絞って考えるのであれば、相続税と贈与税の実効税率を比べて、より税負担の少ないほうを選択するのが正解ということになるでしょう。

ただし、事業承継は税金だけが重要なのではありません。会社の経営状態や自分たち親子の意向、社会情勢などを総合的に鑑みて、結論を出すべきだと思います。

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